信号待ちは?P?D?N?
其の疑問、「MJブロンディ」がお答えいたします!
画像はフォルクスワーゲン ゴルフのシフト
基本的には、
Dのまま信号待ちするのがベターです。
Dのままなら、たとえば、ボーッとしたクルマが後ろから迫ってきて、「こりゃ止まれないだろ!」というのがルームミラーでわかった場合など、前車との車間距離があれば、咄嗟の対処で隣の車線に避けたり、コツンとされる前にスルスルと2~3メートル前進したりすることもできます。
また、Nにしておくと、発進の際、ついDに戻すのを忘れてアクセルを踏む→発進しないので焦ってさらに踏み込む→エンジン回転が上がった状態でNレンジのままであることに気付き、慌ててDに入れる→急発進して追突――というリスクも発生します。
「追突された時はNの方がいい」という要素も、ほとんどありません。衝突エネルギーと、Dレンジでのクリーピング力とは何ケタも違うので、無視してかまいません。
事故防止を考えれば、Dがベターです。ただ、あまりに停止時間が長いことがわかっている時は、NやPにした方が若干燃焼消費が抑えられることもあり、変えてもいいと思います。
国産車のATは、信号待ちのたびにいちいちNにしても耐久性には問題ないですが、多少古めの輸入車は、ひんぱんにNやPにシフトすることを想定せずに作られているので、確実に故障の時期を早めます。
近年の輸入車に関しては、耐久性は上がっていますが、やはり信号待ちのたびにNにするような交通状況にない国で作られていますから、頻繁にチェンジするのは避けた方がいいことに変わりはありません。
ただ、Rを通過するのは一瞬のことで、駆動力が伝わるまで行かないので、特に問題はありません。
MJブロンディの「ひとりごと」
私は若い頃、AT車のクリーピングが嫌いで、クルマのことをよく知らずに、父のAT車で信号待ちのたびにNレンジに入れていたことがあります。
また、マニュアル車の感覚で走行中にNに入れたりもしていて、それを見た父がマネをするようになりました。その後数年して、そのクルマはATがブチ壊れ、アッセンブリー交換になってしまいました。父は、私の悪癖を繰り返していたようで、とても申し訳なかったです。
国産車は、信号待ちのNは問題なくても、走行中のNは、AT内部の油圧が低下した状態でドライブシャフトが高速回転するので、長い年月の間に焼き付きを起こしてしまうんですね。
ただ、現在の国産車は、走行中にNに入れても、かなり大丈夫になっているそうです。もちろん推奨はしませんが。